ヲタク氏のイヤホン・ヘッドホンレビュー 第三回「KZ ZS10 & AS10」
気付けば10月も終わり。
今年も渋谷は魔境だったようですね。
羽目を外しすぎてよそ様に迷惑をかけるのはいかがなものか・・・。
どうも、ヲタク氏です。
今回は私の物欲センサーに引っかかった2つのイヤホンを紹介しつつ、
簡単にレビューしてみたいと思います。
購入は中華通販サイト「Aliexpress」にて
以前、8BA+1DDのイヤホンを購入したことがありましたが、
中華イヤホンの質の高さ、値段の安さに驚きました。
今回購入したのも、メーカー製ではありますが、中華イヤホンです。
海外サイトなので、注文してから到着までに2週間程度かかります。
いつ自宅に到着するかが楽しみで、予定日が近づくと浮き足立ってしまいました(笑)
届いたのはいつもの白い小包。
個人情報はスリーブで隠しています(物理)。
早速開封し、届いたものを並べてみます。
今回購入したのは、
「KZ AS10」5BAドライバー搭載イヤホン
「KZ ZS10」4BA+1DDドライバー搭載イヤホン
「NICEHCK Noise Isolating Memory Foam Ear Tips 」イヤピ(赤4+青4)
「NICEHCK MMCX/2Pin Connector 3.5/2.5mm Balanced 8-core Silver With Copper Mixed Earphone Cable」イヤホンのケーブル(銀線+銅線混合らしい)
です。
最後の2つはノリというか、ついでにポチった感じです。
まずは5BAのAS10を開封。
こちらは中国のKZというメーカーのハイエンドイヤホンの一つになります。
おおお・・・すごく・・・高そう(小並感)
まず、このイヤホンについて簡単に紹介しましょう。
このイヤホンは、何を隠そうBAドライバーを5つも搭載しているにもかかわらず、
恐ろしくお安いイヤホンなんです。
他社製品で同じ構成のイヤホンを買おうとすると・・・?
たとえばこちらのイヤホン、
こちらのイヤホンは、5BAで・・・
¥149,040- ・・・(:-))| ̄|_
(もちろんメーカーにもよりますが)ふつう、
5BAと聞けば10万を越えても何の不思議も無いようなスペックなのです。
それなのに・・・
このイヤホン、AS10は・・・
$66,00-(だいたい¥7,400-) Σ(・ω・ノ)ノ!
という目を疑うような価格で手に入ってしまうのです!
驚きでしょう!?
※ 当たり前ですが、10万を越えるイヤホンと渡り合える音質ではありません。
高いイヤホンにはそうなる理由と相応の価値があり、安いものも同様です。
付属のケーブルもありましたが、
せっかくなので今回購入したケーブルと一緒に接続するとこんな感じになります。
(女の子が邪魔で見づらいという苦情は受け付けません笑)
一見すると、高いイヤホンのようにも見えなくはありません。
まだ耳に刺してもいないのに、この時点ですでに満足感があります。
では、さっそく音質の評価をば・・・
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[KZ AS10]
・量感のバランス
高音:★★★☆☆
中音:★★★☆☆
低音:★★★★★
はじめ、音を出してビックリしました。
「う、うるせぇ・・・」
はじめに言いたいのですが、このイヤホン音場がものすごく狭いです。
簡単に言うと、音がとても近くに聴こえます。
それもあって、あまり音量を上げなくてもうるさく感じます。
また定位はちゃんとしていますが、広がりが少ない。
例えるなら、
せまーいレコーディングスタジオで全員が全力でハッスルしているイメージ。
これはいきなり悪印象です。
次に思ったのは、
低音が・・・凄い・・・っ!
フラットめなバランスを期待していたのですが、
全く想定外でした。
暴れ狂うベースライン、太すぎてイメージを壊しかねないキック・・・
なんだこれは・・・
ケーブルのせいかとも思い、
純正ケーブルや他のケーブルも試してみたのですが、
バランスの改善は見られど支配的な低音は健在でした。
購入から時間が経ちエージングが進んできた現在は、
多少落ち着いてきましたが、
低音が主張してくるのは相変わらずです。
そしてこの低音、量感は凄いものの沈み込みません。
BAなので解像度は高めなのですが、
響きというか・・・広がりがないんです。
バンド音源でベースを拾いたいときなどには最適なのかもしれませんが、
ライブ感は感じにくいでしょう。
どちらかといえばモニター用。
低音ばかり語ってしまいましたが、中高音域はというと・・・
高音については「サ行の刺さり」が無いものの、人工的な印象です。
ドラムのシンバルみたいなやつ(ハイハット?でしたっけ?)を聞くと良くわかります。
逆に電子音はけっこう綺麗です。
中音については艶感が無い渇いた音ですね。
街中でなんとなく聴くのであれば気にならないと思いますが、
夜の自室で電気を消してしっぽり音楽鑑賞するのには適さないでしょう。
涙ちょちょぎれる名曲が台無しになりますから。
つまり中高音は
ナチュラルさがなく、透明感がなく、潤いの無い渇いた音
という感じです。
・装着感
本体がけっこう大きいですが、耳への収まりは非常に良いです。
SHUREがけをするイヤホンなので、タッチノイズも気になりません。
フォーム系のイヤピにしているので、
これで耳から落ちるようであれば救いようがありません笑
・付属品
最低限のシリコン製イヤピと、こげ茶のほっそいケーブルが入っていました。
普段は使うことは無いでしょう。
・まとめ
うるさい 低音がすごい 自然な音ではない 解像度は高い 装着感も問題ない
⇒銀ケーブルなどにリケーブルして使うのであれば良い。
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酷評してしまいましたが、これで7000円ちょいと思えば安いです笑
私が普段使っているイヤホンは
これを5本買ってお釣りが来るようなものばかりなので、
ちょっと耳が肥えすぎてしまったかもしれません。
さて、気を取り直してもう一本のイヤホンも開けてみましょう。
同じくKZ社製のZS10です。
先ほどのAS10は5BAという、値段からは考えられない構成でしたが、
こちらのZS10は4BA+1DDという、さらに頭がおかしい構成のイヤホンです。
一般的に、BAとDDとを組み合わせたハイブリッド構造のイヤホンは、
調整が難しいこともあって珍しいうえ高額になることが多いです。
実際、私が持っているFender社製のFXA6(赤)も、当時はかなり高かった。
たしか5万円ぐらいだったかな?
このイヤホンは、この値段で1BA+1DDです。
ZS10の4BA+1DDという構成が、
いかにキチガイか分かっていただけたでしょうか。
こんなの絶対おかしいよ。。。
しかもこのZS10、先ほどのAS10よりも前に発売されたのですが、
その値段が・・・
なんと・・・
およそ¥4,000- !!!
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あ、ありえない・・・
叙々苑の焼肉一皿分で買えて良い構成のイヤホンじゃねぇ・・・
イヤホンに4000円もと言い出すような方は、
私の読者にはいないと思いますので大丈夫でしょうが、
これ、どう考えても安すぎます。
いくら自社(国内?)開発のドライバーを使っているからといえども、
もっと高くても売れるでしょうに。。。
さて、こいつの音も聴いてみましょう。
さっきのAS10は私の好みには合いませんでしたが、
こいつはどうか・・・
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[KZ ZS10]
・量感のバランス
高音:★★★☆☆
中音:★★★★★
低音:★★★★☆
まず一言。
このイヤホン、やっぱり安すぎ!!
全体のバランス感としては中低域押し。
AS10みたいな密閉感はありません。
耳から少し離れたところで鳴っている印象で、広がりも感じます。
低音はDD積んでるだけあって、厚みがあり優しいながらも迫力を感じます。
重低音は潰れてしまっているような印象で、解像感は少し低いかも。
モニターライクなAS10とは対照的です。
中高音域はAS10と似たような感じで、艶感が少なくあっさりした感じ。
バランスが良いので、AS10よりもはるかに聴き疲れしにくいと思います。
低音は少しぼやけていますが、中高音の解像感はなかなかで、
ハイブリッドとしての狙いどころを心得た製品のように感じます。
某YouTubeチャンネルで
「上から下まで豪華な音」というようなことを言っている方がいましたが、
まさにその通りですね。
個人的な趣向をいえば、
高音域のクリアさ、ヴォーカルの艶感など物足りないところはありますが、
4000円のイヤホンと考えれば大満足な音質です。
何を聴いてもそれなりに聴けるでしょう。
私が聴いた限りでは、
ポップス、アニソン、ボカロ、打ち込み、バンド、ジャズ、ボサノヴァなど
大概の曲を上手に鳴らしてくれます。
ただ、楽器の生音を堪能したい場合、
例えばクラシックや民謡などには合わないのかもしれません。
雑踏の中で聴く分には問題は無いでしょうけど。
加えて言えば、このイヤホン、
純正のちゃっちいケーブルでもかなり良い音が出ます。
最悪、リケーブルしなくても普段使いに不満は出ないと思います。
・装着感
こちらも、SHUREがけ、フィームイヤピのおかげか、全く不満はありません。
・付属品
シリコンイヤピとこげ茶の細くてちゃっちいケーブルのみ。
欲を言えばケースを付けてほしいですが、それは欲張りさんでしょうかね。
・総評
イヤホンを買おうとしていて、
クレカが使えて、
SHUREがけに抵抗の無い人は、
騙されたと思って
このイヤホンを買いましょう。
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ZS10は、個人的には素晴らしい製品でした。
中の構造を仮に見なかったとしても、この音質で4000円はおかしい。
価格破壊です。
興味がある方は是非一度お手にとってみてください。
Aliexpressで買えば、時間はかかりますが、4000円ですよ。
(密林などで購入しようとすると、すぐ届く反面6000円ぐらいかかります。)
さて、こんなところで今回は以上になります。
突発的な散財をしてしまいましたが、良い買い物ができたと思います。
また近いうちに更新したいと思いますので、乞うご期待。
以上、ヲタク氏でした。
twitter:@GeneralApple